西アフリカ某国日記2-4 最終回

安全のため国名は伏せております。

今週で訓練が終わる。にしては色々なことがあった。月曜日は訓練所に行くミニバスの中で派手に「オート・リバース」した日であった。朝食の時に食べたハムとチーズがいけなかったのか???1キロも行かないうちにこみ上げるものがあり、唾を飲み込んで何とかやり過ごそうとしたけれど、最初のロータリーに差し掛かったところで勢いよく戻してしまった!ズボンがビチョビチョになってしまって、助手席にいたのだけれど、派手に「ゲロ」を撒き散らしてしまった。一緒に乗っていたフィリップが心配して「ボスに言ってホテルに帰ったほうがいいぞ???」と言ってくれたけれど、僕は「全部出てしまってもう平気だと思うし何も言うなよ!」とフィリップに言った。今日は大事な授業をやらなければならなかったからだ。教室に着いてすぐ、シニア・インストラクターのマーカスがやって来た。僕が派手にゲロを車の中でブチ巻けたのを運転手連中に聞いたらしい。「Kawa、調子が悪いそうだしホテルに戻って休んでいろよ!」と言ってくれた。マーカスに言われたら仕方がない。事務所に戻るとボスのブルースがいて「心配ないからホテルで休んでいろ!」と言われた。なのでホテルへ戻る事にした。

ホテルに戻って着替えてベッドに横になった。ちょうど眠りに入ろうとしていたところだった。10時過ぎぐらいにブルースから電話で「調子はどうだ???」と電話がきた。だいぶ気分は良くなったけれど、眠かった。

 

その後訓練が終わった時間に部屋をノックされた。起きて行ってみるとブルースで、また様子を聞かれた。昼飯は食べられそうになかったので何も食べていない。でも大丈夫と説明したら納得してくれた。ただ今夜は酒は飲むなよ!とだけ言われた。飲めないだろう・・・。

 

いつも18時にホテルのバーでフィリップと一杯やるのがいつもの習慣で、18時にバーに降りて行ったらフィリップがいた。最近彼とはピザを半分づつにして分けるのが晩飯だった。さすがに腹が減っていたので、いつも通りピザを注文した。フィリップは食事の時はワインを欠かさないのでワインをボトルで注文した。暫くするとグラス2つと共にワインのボトルが運ばれて来た。フィリップは迷わず僕のグラスにもワインを注ぎ乾杯した。

その夜、21時頃いきなり部屋の電話がなった。寝入っていた時間だ。ブルースからの電話で、オランダ軍の女性の少佐がコロナに感染したと言う事が判明したとの事だった。なので、司令部の授業をしている連中全員と、今朝具合が悪かった僕がPCR検査を受けにこれから出かけると言われた。

最初に行った場所ではここでの検査は飛行機に乗る予定の人向けの検査場で、他の検査場に行けと言われた。そのせいで30分ぐらい時間を無駄にした。

検査場では鼻の中に綿棒の長いやつを入れる検査だった。パスポートを持って来てよかった。書類に記入し終わり検査を受けた。だけれど、みんな動く気配がない。結果が30分ぐらいで出ると言う事でタバコを持って来た事に感謝した。22時を過ぎていたけれど暑かったので少し汗をかいた。全員陰性。

ホテルに着いた時は夜中の12時を回っていた。部屋に戻りシャワーを浴びて横になった・・・。

 

金曜の朝4時にホテルのロビー集合と言われた。5時にPCR検査だ。今度は空港のそばの検査場だ。出発は土曜日だ。結果は土曜の朝通知される。(全員陰性であった)

 

今週の僕の訓練では装甲車が必要だったけれど、射撃とか別の訓練も入っていて僕らに回す余裕がないと言う。兵士達が装甲車を降りてからの展開の仕方を覚えるのにはどうしても必要だった。でもなかなか僕らへは回ってこなかった。金曜日は最終日なので、オランダ軍の軍曹ポールが簡単な演習を組んだ。その日に装甲車がなければ僕らの訓練はおしまいだ。なんと言う事だ!今朝は装甲車2台を使ってもいい事になった。僕らはSUV2台に分かれて訓練所のそばで簡単な演習を行うことが出来た。演習の出来はまぁまぁであった。リーダー役の曹長はなかなかであったが、細かい詰めが甘かったけれど、全員ヘルメット、ボディー・アーマー、小銃で装備していて、将来展開する事になっている紛争地と地形が似ていることもあり暑い中よく頑張った。最後に記念写真を撮って教室へ戻った。

 

夕方ホテルのロビー集合。空港へ向かうのだ。今夜の飛行機でフランスに戻る。到着は明日の朝8時。それからTGVでアヴィニョンへ向かう。到着は13時過ぎ。スーツケースがあるのに1回乗り換えがある。明日はフランスだ。今回の仕事は1ヶ月だけだったけれど、また今回もまぁまぁであった。ここの国の兵士たちにもなれた。次はいつ戻ってくる事になるのだろうか・・・。