B 240 週番室の主だった仕事

第4外人連隊にある管理者養成中隊とは、伍長訓練コースと、軍曹訓練コースからなる。階級を上がるために必要な訓練を行うところだ。第4外人連隊の中にあって、全ての外人部隊の連隊から候補生がやってくる。伍長訓練コースは連隊内で独自に行う通称F -2(第2段回とでも訳そうか???)と言われるものが行われる。訓練期間が通称F–1と呼ばれる第4外人連隊で行われるものより短く、5年という年月の外人部隊の契約期間、普通では階級が上がれそうにない1等兵を救済しようではないかといった意味も含まれていた事は否めない。給料面でも上がるし。

管理者養成中隊と言えど、ちゃんと普通中隊の様に週番職があって、週番軍曹は軍曹訓練の候補生から、週番伍長は伍長訓練の候補生の中、1週間毎に交代で選出される。その最中に週番軍曹なり週番伍長の仕事を覚えるのだ。この週番室は結構忙しいところであり、中隊の人間がいつどこの仕事についているか掌握しなければならず、兵士たちの方も、勤務中隊の時、中隊出発前、中隊に戻った時などを報告しないとならず、忘れると面倒な事になったりする。

朝は朝で中隊の点呼がある。これは日番伍長が点呼表に人数を紙に記入する場合と中隊広場に全員整列する場合があって、後者の場合は時間が大変であった。一般の連隊では前者が殆どだが、僕が第4外人連隊の新兵訓練軍曹だった時は、週番軍曹の時は後者の点呼のやり方で行った。新兵たちに気合を入れるためであった。それが終わると中隊の掃除がある。それは週番伍長の役割だ。各小隊から来る掃除当番を中隊長室や廊下など色々な所に割り振る。それらを見回って点検する。その前の起床は週番伍長の役目だ。なので起床時間のかなり前に起きて身支度を整える。そして全力で笛を吹き中隊を起こすのだ!

食事は週番軍曹の出番だ。中隊集合場所から食堂まで引率するのだ。人数ももちろん点検する。何人かが訓練などで遅れる場合もちゃんと掌握していて、食堂に報告しなければならない。兵士たちは食堂に着いたと言う事を週番軍曹に報告する。この食堂までの移動では隊歌を歌う。これは週番軍曹に任されていて、中隊歌の時もあれば外人部隊の数多くある部隊歌の時もある。大抵は中隊歌だけれども。これには新兵たちに中隊歌を覚えさせると言う狙いがあった。各中隊、中隊歌は違う。なので大事な事であった。第4外人連隊の新兵訓練を終わるとあまり新しい隊歌は覚えないので、あとは配属先の連隊の中の中隊や小隊の責任になる。

週番軍曹なら、中隊行事の時など、武器庫からの武器搬出をすることもある。中隊や連隊の行事といえばパレードだ。必ず武器を持つので人数分の小銃と拳銃を武器庫から出す。パレード用なので数が合っていればよい。

この様に週番室には色々な仕事があり、その上に中隊付き曹長がいるので手は抜く事は出来ないのだ。全て申告しなければならない。大体金曜が週番室交代日となる。この週番を終わると、思いっきり疲れたのを思い出す。

以上、週番室の主だった仕事でした。
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