B058 配属先の希望

1989年5月17日(水)

              今朝はまた駆け足でカステルノダリーにあるプールへ行った。前回はいきなりウォーミングアップなしでのタイム計測だったけれど、今朝は少し泳ぐ事が出来た。今朝は各自得意な泳ぎ方でいいという事だったので平泳ぎで泳いだ。高校の頃一時期水泳部にいたので平泳は得意だった。

帰りの駆け足は比較的ゆっくりだったので楽だった。中隊に戻るとフランス語の授業だった。

来週の予定が出た。金、土、日、月の4日間のRaid Marche(レイド・マーチ=長距離行軍)とあった。みんなの間で噂になっていた長距離行軍だ。新兵訓練の最大の山場と言えよう。これが終わると新兵訓練が終わるという事だ。そして一般の連隊に配属になる。きっと簡単な行軍では無いだろう。でも何とかやり切ってやろう。

1989年5月18日(木)

最終試験の一つである戦闘訓練のためと長距離行軍の訓練を兼ねて歩いてレイサックへ向かった。昨日すでに背嚢などの準備はしていたので、朝食後すぐ出発した。余裕で昼前にレイサックに着いた。

到着してしばらく休憩した後に見知らぬ中尉と面接だった。勤務地についてだった。第3希望まで聞かれた。僕は給料もいいしアフリカに行ってみたかったのでジブチにある外人部隊第13準旅団を希望した。第2希望は、地雷処理や特に爆薬に興味があったので、南フランスのアヴィニョンに近い第6外人工兵連隊、第3希望はこれも南フランスのニームに駐屯している第2外人歩兵連隊にした。この他にもタヒチのムルロア環礁に第5外人連隊、コモロ諸島を構成する島の一つ、マヨットにあるマヨット外人部隊分遣隊、2カ所海外勤務地があるのだが、これらには新兵は絶対に配属にはならないので名前すら出なかった・・・。その他に仏領ギアナに第3外人歩兵連隊があるのだが、ジャングルより砂漠を見てみたいので選択外であった。コルシカ等にある第2外人落下傘連隊は成績や体力面で無理だろうと思っていた。

1989年5月19日(金)

一日いっぱい最終試験の一つである戦闘訓練のために色んな事を復習した。ある地点から出発して途中にいろいろな敵がいたり、ここは匍匐で移動、ここは駆け足で移動、突然のガス攻撃など盛り沢山であった。

夕方に終わってパーキングを見るとトラックがいて何だろう?と思っていたら僕らのためであった。「マジか!」。

連隊に着くと、どういう訳かFA -MASの手入れをする前に武器庫へ行って返納してしまった。

夕食は昼に続きレーションであった。その日は特にそれ以外変わったこともなく普通にシャワーを浴びて掃除をし点呼を受けて寝た。

1989年5月20日(土)

午前中はFA -MASの手入れだった。1時間で終わるハズもなく昼までかかった。

午後は休みだったのだが、明日どこかで記念式典があるというので、パレード用制服の準備の他、アイロンがけをしたり半長靴を磨いて過ごした。

                            読んでくれた人、ありがとう