B241 フランス語

今日はフランス語について述べてみたい。

    フランス外人部隊とは?ヨーロッパのフランスという国があってそこの国の外国人を集めた軍隊である。これは法律にも載っている。出来た当初、言語で混乱があったそうだが、指揮をする人間がフランス人である以上それに従うのが普通だ。
    何が言いたいかと言うと、指揮をする人間とは、サン・シール士官学校出身のフランス人である。彼らの言語とはフランス語である。次第に混乱は無くなりフランス語に統一されたと言うことだ。なのでフランス外人部隊ではフランス語を話す。英語がたとえネイティブぐらい話せても何の役にも立たないと言っておこう。とにかくフランス語なのだ。どこの国の人間にとってもこのフランス語というものは厄介だ。見ていて、イタリア人、スペイン人などはすぐ流暢に話し出す様に見受けられた。隣国というだけではなく、ラテン語が元にあるからであろうか???なのでフランス語は嫌でも勉強しなければならない。他の言語は必要ないところなのだ。とにかくフランス語である。

    入隊してすぐそれはやってくる。命令は全てフランス語である。なのでわからないと言ってのほほんとしている訳には行かないのだ。雑用でも命令は全てフランス語である。「そこを箒で履いておけ!」「雑巾掛けを忘れるな!」「〜を持ってこい!」と言ったことでも全てフランス語である。わからずに黙っているとどうなるか?軍人が一番嫌な罰則は常々「腕立て伏せ」と思っているけれど、その腕立て伏せが待っている。10回、20回、それ以上・・・。ひどい時は一日200回以上やった日もあった。連帯責任での腕立て伏せがキツかった。自分のせいではなく誰かの失敗のせいで連帯責任で「腕立て伏せ」をさせられるのだ。これはキツかった。それからよく軍曹にやらされたのは、「腕立て伏せ」は普通「上!」と「下!」の2つの掛け声だが、軍曹の、それに加えて「au Milieu !」(中間!)という掛け声が入ってきたものだ。これは死ぬ!膝を着かないと続けられない。
   そのほかゲンコツでやらされたのもキツかった。それもわざと砂利のあるところでだ。文句は許されない。とにかくやるしかないのだ。第4外人連隊で新兵訓練担当の伍長をしていた時など、イギリス人のアレン軍曹が「腕立ての姿勢を取れ!」と隊舎のそばにいた僕らに声をかけた。軍曹も姿勢をとる。伍長である僕は嫌が上にもやらなくてはならない。それに新兵の手前もある。軍曹が姿勢を取っているのに伍長の僕がやらないという事は無い。そんな事は出来ない。上官である軍曹がやっているのだから。伍長以上の階級にこの「腕立て伏せをさせる」権限があった。なので階級によってはやった失敗にもよるけれど、延々と終わりのない腕立て伏せの地獄に陥る事にもなる。

    この様な事は日常茶飯事であった。なのでそれが嫌ならばフランス語を覚えろ!という事だろう。「腕立て伏せ」をやる回数が劇的に減るのだ。それは新兵訓練の最初の1ヶ月、農場と言われるところでの訓練が終わるあたりであろうか???フランス語の授業もその間あるし、フランス語ができるやつとペアにさせてフランス語を教わるという事を外人部隊ではやっている。ちゃんと授業もある。それほどフランス語は重要なのだ。今ウクライナが問題になっているけれど、日本人義勇兵が言葉が通じないところに何しにいくのだと言いたい。戦場はそんなに甘くない。あそこはウクライナであり英語なんて通じない。ロシア語だ。そんなところに行っても邪魔になるだけだ。日本にいて出来る事がある筈である。よく考えた方がいい。

    この様に、外国語というものを日本にいて覚えようと思っている事自体が間違いである。英語を見てみるといい。普通に話せる奴がどれくらいいる???発音も先生が日本人で日本のアクセント・・・。その国、または英語圏の国へ行かないとまともに話す事など出来ないというにが僕の持論である。経験がある事なのでそれは変わらない。フランス語なら尚更だ。もしフランス外人部隊に志願したい人がいるならば、事前にフランス語を勉強してから行った方がいいかと思う。覚えるスピードが変わると思うのだ。少しでも基礎があった方がいいに決まっている。僕はそう思うのだ。

                    読んでくれた人、ありがとう