B073 寝てもよし。ビールを飲んでもよし。

1989年6月27日(火)

5時起床。朝食後、部屋の掃除などをして7時半ごろ制服に着替えた。衣嚢や酒保で買った個人用のナイロンのバッグなどを整理して中隊の一階角にある教室で第1中隊で僕らと同じ時期に新兵訓練を終えた連中との「Pot」があった。連隊長もやって来て「Pot」を始める前に必ず歌う「ル・ブダン」をまず歌って「Pot」が始まった。最後に連隊歌を歌ってお開きになった。

その後やっと家からの小包を受け取った。中には日本の物を何かと頼んでおいたので、「箸」とかいろいろ入っていた。

ルアール伍長は小包の件を忘れていたので何品かあげようと思ったけれど全て中尉にあげた。中尉は最初驚いていたけれどとても喜んでくれた。僕も喜んでもらえたので嬉しかった。

 

12時過ぎの電車でまずマルセイユに向かった。そしてそこで40分ほど待って次はいよいよオバーニュだ。

オバーニュの第1外人連隊には、国内から海外の連隊に配属になる時やその逆、除隊時、または僕らのように新兵訓練を終わったときに必ず通る「外人部隊人員事務管理中隊」(CAPLE=Compagnie d’Administrative et des Personnels de la Légion Étrangère)と言う所があって僕らは一時その中隊管理下になる。海外に配置になる連中はそこからまた「ノジョン要塞」に行ってパリから出発する。「ノジョン要塞」がパスポートを管理しているからだ。パスポートはフランスのものだ。一般のパスポートと変わりは無い。海外に行く場合、国籍が何であろうとフランス人として移動する事になる。目的地に着くと最上級者が一括で管理して連隊事務に提出する。海外から戻ってくる時も「ノジョン要塞」に一旦戻りこれも最上級者が一括で「ノジョン要塞」のパスポート管理事務所に返納する。当時はこんな感じであった。

 

国内の連隊に配属の場合は各連隊から迎えがくる。その間は人事の責任者と面接したり数日間ここで過ごすことになる。この中隊を通らない外人部隊兵はいない。下士官も同様。士官だけは直接フランス軍人事からの異動命令書で移動する。

 

オバーニュに着くとCAPLEに行き部屋を割り当てられて荷物をしまってすぐ夕食だった。信じられないことに夕食後は自由だった。酒保に行くもよし、寝るのもよし。僕は「ビトウさん」と一目散で酒保に向かってたっぷりとビールを飲んだ。ジブチにある「第13準旅団」への配置は全くわからなかった。それなりに人気があるらしいと言う話は聞いていた。ただ募集人員は少ないと言う事だった。もしそこに配属にならない場合国内の連隊に配属になるだろう。などとぼんやり考えていたけれど今はビールに専念しよう・・・。9時ごろ部屋に戻り、シャワーを浴びて寝た。明日配属先が決まる。ジタバタしても仕方がない。なんとかなるさ・・・。

 

 

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