B 272 ある日の週末

僕は、同僚のシュミット軍曹とは仲が良かった。仕事以外でもよく一緒にいた。ある日の夜、彼が「明日の週末はアンドーラに行くぞ!」と言った。アンドーラという所はフランスとスペインに挟まれた小国で、税金が安かったので、売っているものや燃料がフランスに比べて安い。第4外人連隊から車で3時間ぐらいだったか???訓練所のある農場の方向へ向かい、ミレポワという街を経由するようであった。国境は山道ですごいカーブの登り道であった。車はシュミット軍曹のフォルクス・ワーゲンのパッサートのステーション・ワゴンでデカくて快適であった。無事にアンドーラに着くと直ぐにホテルの部屋を取り、夕食の前に一杯やるためにホテル近くのバーに繰り出した。そのバーの近くのレストランに夕食のために入った。久々の外出だし、初めて来る土地だし僕の気分は上々であった。二人合わせて合計で1000フランぐらい(日本円で2万5千円ぐらいか???)と、フランスでは普段では出さないような金額を飲み食いした。

次の日はいろいろな店を見て回った。大体フランスに比べて4割ぐらい安かっただろうか???ただ、帰り道の国境の検査所があるから気をつけようとシュミットに言われたので、タバコは6カートンだけしか買わなかった。それと車用にカーラジオを買った。着るものとか色々あったけれど、今回はやめにした。次回来た時にしようと思った。とにかくありとあらゆる物が安くて目移りした。ガソリンも安くて、国境の直ぐのガソリンスタンドはフランスナンバーの車で混んでいた。

ここ、アンドーラは安いので、第4外人連隊の下士官などの多くの連隊の連中が食料品などを自分の家のために買って行くという事も覚えた。スペイン産の肉やハムが安く買えたのもいい思い出だ。その当時の僕は酒と言えばビール一辺倒だったのでいいウイスキーなどにはメモくれなかったけれど、今考えると随分と残念なことをしたなぁと思う・・・。

読んでくれたひと、ありがとう