B107 メロンの事は黙っていろ!

1989年9月17日(日)

11時に起きた。午後は、明日の衛兵勤務の準備のため、制服にアイロンをかけたり半長靴を磨いた。夕方タケシタくんが遊びに来たので、たまたまロッカーに入っていた(本当にたまたまなのか?)ワインを開けて飲んだ。夕食後もワインとビールでおしゃべりをした。ビトウさんは「P・I」の勤務でいなかった・・・。

 

1989年9月18日(月)

ズィグレール曹長の服装検査も無事終わり、衛兵詰所に入った。月曜日なので連隊朝礼がある。

連隊長が乗った車が営門を通り過ぎる。一斉に捧げ銃をして連隊朝礼が始まった。国旗掲揚をして何も話がなければすぐに中隊長へ指揮権下達が行われる。そして、外人部隊音楽隊のテープが流れて連隊で行進の練習をする。

 

この衛兵勤務の時は軍曹以下勤務者全員が一人一人連隊長と面接を行う。一人5分ぐらいだ。個人ファイルを持ったルジュン中尉がやって来てもうすぐ始まるのだという事を告げた。

僕はまだ兵卒なので、一番最後だ。連隊長とのこの衛兵勤務の時の面接は2回目だった。ひどく緊張したのを覚えている。連隊長のマネ大佐は僕がフランス語をまだ上手く話せないので、ゆっくりとした口調で前回参加した演習でどんな事をしたか聞かれた。まさかステーキを焼いたりワインを飲んでおまけにメロンを盗んだとは言えないので、「滑走路の破壊の作業をした」と答えた。連隊長は、「フランス語を引き続き勉強しろ」と言ったので「oui, mon colonel !」(はい!大佐どの!)とでかい声で返事をして終わった。

ズィグレール曹長の服装検査も無事終了したし、連隊長との面接も終わった。こうして退屈なGarde(ガード、衛兵勤務)が始まった。夜はまた連隊の奥にある誰も通らないような所の弾薬庫のガードだった。眠くて仕方がなかった・・・。

 

1989年9月19日(火)

ガードを終えて中隊に戻り、急いで髭を剃って運動着に着替えた。今日は体育館の壁に設えているフリークライミングだった。その前にフランス軍の体力検定の必修だったかな?ロープ登りを3回やった。その後フリークライミングが始まった。すでに3回のロープ登りをしたので、手に力が入らない。連隊の運動を司る部署があって、そこにいる下士官がフリークライミングの基本を説明してくれた。3点支持を守ればそんなに難しくないと言われたけれど、口で言うほど楽ではなかった。おまけに僕は腕力もそんなにないし、途中で止まって次にどっちへ進むか考えているうちに腕が疲れてしまって壁の半分ぐらいの高さまで登るのがやっとだった。もし何もつけていなければ何度落ちたかわからない・・・。

安全帯のおかげでスルスル降りられたのは確かった。

中尉はがたいが良く、体重もそれなりにあるのだけれど、小隊で一番最初に天辺の部分へ到達した。

そのあとは一日中この間の演習から戻って来たばかりなので、車両の整備を手伝った。操縦手に言われたオイルを渡したりグリスを詰め直したりした。今朝下番したガードのせいでひどく眠いので、9時には寝てしまった・・・。

 

1989年9月20日(水)

食堂の雑用の当番が回って来た。連隊に来て初めてだった。昼の片付けを終わって思ったのは、新兵訓練の時よりは楽かなぁ?と言う事だったけれど、あくまで新兵訓練の時に比べてと言うだけで、作業自体はほとんど変わりはなかった。ただ、うるさい上級伍長に小突き回されないだけなのだけれど、立ちっぱなしで足が棒のようだ・・・。今日も早く寝よう・・・。

 

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