B055 1989年5月13日(土)酒保

午前中はカステルノダリーの街中にある別の駐屯地へ行った。いきなり幾つものタイプライターのある部屋へ連れて行かれ、一定時間内にどれだけ文字を打てるかというテストをさせられた。そのあとはちょっとした計算のテストだった。あとでわかるのだけれど、これは中隊などの事務職の適性の検査だった。

午後は夏服にアイロンをかけた。全員良しとなると夜酒舗に行く事が出来るという話だった。

夕食前、小隊長室の前の廊下に全員整列した。中尉から500フランずつもらった。 と言っても自分の給料なのだが。 という事は今夜酒保に行けるということか???

夕食後は皆「パスカル」を握りしめて酒保へ行った。(パスカルとは?=当時の500フラン札に描かれていたフランスの哲学者。「パンセ」が有名)

500フランも貰えたので、まず休暇などで使うナイロン製のバッグやマグライトの小さい奴、サンダルなどを買った。それから急いで(別に急ぐ必要はないのだが)バーへ行きたっぷり喉にビールを流し込んだ。今夜は時間に余裕があったのでゆっくり出来てよかった。

20時には中隊の掃除当番だったので途中で抜けて中隊に戻って週番伍長の所に顔を出したけれど、土曜の夜で週番伍長はビールでも飲んでいるのか少し酔っ払っていて5分もしないうちに「もう帰っていいぞ!」と言ってくれたので箒を急いでしまって一目散で酒保に戻った。ニール伍長はあまりウルさくなく、本当は僕らには許されていないのだけれども、部屋に持って帰るために買ったビールには目を瞑ってくれたので、僕等はビールを2ケースほど買い込んだ。消灯後も僕らの部屋は愉快に過ごす事が出来た。

読んでくれた人、ありがとう。

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