アフリカ中西部某国日記2-4最終回

夜中の1時半に起きてフランスへ帰国するために準備を始めた。1時45分ホテルを出発予定だったがホテルのフロント前のソファーに誰もいないのが気になった。仕方がないので2階に上がりルイジの部屋をノックした。

やつは寝坊したらしく寝むそうな声で「今行く!」と中から返事が聞こえた。運転手のアブドゥルもまだ来ていないようだった。ホテルのフロントで聞くと様子を見に行ってくれた。「アブドゥル、来てますよ!」との事で表に出るとアブドゥルがいたのでスーツケースを車に積んでもらった。その時ルイジが起きて来て「アブドゥル、急ぐぞ!」と言って車に乗り込む。空港へ出発だ。2時になろうとしていた。

空港までの車中、特に話す事もなかったので皆黙ったままだ。ルイジが口癖のように「カワ、膝をなんとかしろよ!」と言った。

 

アフリカ中央部某国に続いてアフリカ中西部の任務もリタイアしてしまったのだ・・・。膝をどうにかしないといけない。真っ直ぐに伸ばせないししゃがむ事も出来ないのだ。それに気がついたのは東アフリカにいた時なのだ。だからもう10年近くになる。その間何をしていたのかというと、膝を騙し騙し仕事をしていたという事に尽きる・・・。

 

今回のアフリカ中西部某国へ行って「このままだとダメだ!」という結論に至ったのであった。ではどこで治療するか???という問題があったけれど、フランスの医者、特にかかりつけの医者は3回行ったけれど、レントゲンは1度、IRMもスキャンも無し。もっともフランスではその予約を取るのも難しい。レントゲンの写真を撮るだけでもフランスだと平気で3週間ぐらい待たされるのだ!日本だと外科クリニックではレントゲンやIRMの機器を装備して居るので昼前に結果を持ってお医者さんの診断を受ける事が出来た。それに比べるとフランスは・・・となる。なので一度日本へ帰る事にした。手術も視野に入れて居る。膝の皿が異常にすり減っていますが以前何をやってたんですか???とお医者さんに言われた。「以前軍隊にいました。」とだけ言った。お医者さんは怪訝な顔をしていたけれど、まさかフランスの軍隊、それも外人部隊でピレネー山脈を何度も行軍していただろう事は知る由もない・・・。自衛隊にでもいたのだろうという感じでお医者さんの会話は膝の話になった。

その場合入院やリハビリなどを考えると日本の方が都合よく思えるのだ。問題は「コロナ」だ。ワクチン注射は2回やってある。そのほかPCR検査も無料でやる事が出来る。

だが日本へ帰る前にやっておく事があった。アパートの引っ越しだ。それが終わらないと日本へ帰る事が出来ない。それはルイジの知り合いのダノ(ダニエル)が手はずしてくれていい場所にいい物件を見つけてくれた。あとは明日土曜日にいつ引っ越しをするかダノと決めるだけだった。彼には僕の膝のことは伝えてわかってくれたし、長期で仕事でいない時に車を止めておく場所も必要だと言う事も知っている。8月ぐらいに話をしてもう3ヶ月経ったけれど、彼はいい物件を見つけてくれた。平家の端で、部屋の前に車を止める事が出来る。入口は電動で、家具も付いている。広さは僕一人なので十分な広さだった。ダノに頼む事が出来たのは同僚のルイジのおかげだった。ルイジ、ありがとう!

明日、何時かはわからないけれど、新しいアパートの大家さんと会う予定で明日が楽しみだ。

 

読んでくれた人ありがとう

 

 

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