西アフリカ某国日記2-3

安全のため国名は伏せております。

 

今週はブルンジから来ている同僚のテレンスの授業が入っているのであまりやる事はなかった。ただ、彼の授業は、ただスライドに書いてある事を読み上げているだけなので、「KAWA」先生も眠気を催してくるので、眠らないようにするのが大変であった。

 

今週から「0〜5〜25」が始まった。0とは、装甲車を下りる前に自分が足を地面につく場所をまず確認する。地雷とか不審物が無いかどうか確認するのだ。そして安全だと分かった時点で初めて装甲車から地面に降り立つのだ。そして装甲車から5メートルまでの距離の安全を確認する。車両の下の確認を忘れないようにするのが肝要だ。1周したら指揮官にその旨報告する。それが終わるとその兵士は車輌後方20メートルの位置まで移動する。次の兵士は10メートル後方まで移動。3人目は車輌前方20メートルに移動。4人目は車輌前方10メートルの位置まで進む。それが終わると、4人で車両の周りを距離を守りながら半周する。各自左右5メートルが確認範囲だ。そうする事によって車両の周り半径25メートルの安全を確保する。目的は「IED」を見つける事だ。何か見つけたら「ウイスキー!」と大声を出す。今回は「ウイスキー」と言う隠語を使おうと指揮官が決めた。どこから見ているか分からないがテロリストの監視の目を誤魔化す為だ。下手な事を言うと「IED」を爆破させられてしまうかもしれないからだ。短時間の停車では半径5メートルの安全の確認をする。長時間停車は必ず25メートルまでの安全確認をする事となっていた。それを怠った訳ではないだろうが、東アフリカでスェーデン人の同僚が片足を失くしている。

 

その他、オランダ軍の軍曹が模擬の弾薬を草むらに置いて、実際に弾薬がどの様に見えるかなどの実地訓練もやった。なぜなら兵士達は無線で報告をしてEODチームの出動要請をしなくてはならないからだ。そのための「EOD10ライン」と言うメッセージも教えた。日付、場所、何が問題かなどだ。ただこのメッセージは、いる国ごとに違いがありどのメッセージが正しいのか僕でもはっきりとは言えないぐらい出回っているので、例えばこう言う時に必要な項目(曲がりなりにも一応彼らも軍人なので)を教えた。

今の時代、アフリカでもスマートフォンを使っているので写真をスマホで撮って「whatsApp」などで送ると情報が早く伝わるので、写真の撮り方も教えた。そこの場所の全体像も撮る。不発弾の写真を撮る時には自分の影が映らない様にしなければならない。なので太陽に向かって立つ。そして弾薬の写真を撮るのだ。そうすれば、待機しているEODチームに情報が伝わりやすくなるのだ。もしかして弾薬のマーキングが見えるかもしれない。アフリカと言っても兵士たちはスマホの扱いは慣れた物で、全く問題はなかった。

 

生徒の兵士たちは訓練に慣れてきたのか、「KAWA」先生が太陽の下にいる時は全員太陽の下、日陰にいる時は日陰で過ごすと言うのが浸透してきて、いちいち言わなくても良くなってきた。彼らだって暑いのに日向にはいたくない。でも「KAWA」先生が日向にいるので自分だけ日陰にいる事は出来ないと言うのが不文律になっていた。自分で言っておいて何だか可笑しかった。

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