新兵たちの人数が揃ったので、本格的に「フランス軍」の仕組みなどの授業から始めた。その中でも「フランス外人部隊」はどういう位置にいるのか、人数、規模な度説明した。大隊人数は7000人弱、10個の連隊があって、君たちが志願して集められたところが、「第1外人連隊・マルセイユの近くにあるオバーニュ」という街が本部であるとか、生徒は「外国人」ばかりなので、理解は難しいと思っていたので、ジェスチャーや、ホワイトボードに水性のマジックペンで、「絵」を大きく書いたりして説明した。僕の講義はいつもホワイトボードと水性ペンを使って「絵」を描くことが多かった。なので、フランス語ができなくても理解しやすいように心がけていた。なので、理解できない兵士はそんなに多くは無かった様に思う。少なくとも、他の軍曹たちの授業より「わかりやすい!」と評判であった・・・。
そんな話を聞いた小隊長の「アンドレス曹長」が僕の授業風景を見にきたりした。アンドレス曹長は、顔は知っていたし昔は連隊の憲兵隊長をしていたけれど、仕事を一緒にするのは初めてであった。それでも、2人きりの時は、「オイカワ、授業の仕方がいいぞ!」と褒められたりもした。それは伍長連中も同じで、「オイカワ軍曹は、他の軍曹たちとは違いますねぇ・・・。」などと口々に言ってくれた。そんなことがあって、「自分の授業の仕方」について少し「自信」を持ったのでした。
それに、休憩の時には、新兵たちにゆっくりとタバコを吸わせることも忘れなかった。僕が新兵の頃は、とにかく忙しなくてタバコを吸っている時間などは無かったし、伍長が喫煙者ではないと、タバコを吸う暇などはくれなかった。そんな時は部屋のベランダで、しゃがんで隠れて吸ったものだ。それでも、吸い殻を忘れるやつがいて、僕らは「吸い殻」の罰を喰らうの繰り返しだった・・・。伍長によっては、自分は喫煙者ではないので、罰則の「腕立て伏せ」が、延々と続くのであった・・・。自分も喫煙者だった「ラフォン伍長」は、昼食後や夕食後は、ちゃんと「喫煙」の時間をとってくれて、ゆっくりと喫煙できたのでした。これは僕が新兵の頃の話で、その後、階級が上がる様になると、特に気にしない様になっていった・・・。