B 251 追記

    CT1とかCM2とかCT2とか色々出てきたけれど、試験はというと、問題はもちろんフランス語、質問解答すべてフランス語で、解答は、まずフランス語で書いてある質問を理解しなければならない。そして初めて答えを書けるのだが、もちろん答えもフランス語で書かないといけない。日本語や英語は1ミリも出てこない。それが一番大変だった。何番に印をつければよいという日本の試験の様なものは忘れたほうがいい。とにかくフランス軍の一部であるフランス外人部隊といえど、フランス正規軍と同じ日に同じ試験を受けなければならないので、フランス語が出来ないとこの限りでは無い。僕自身本当に大変だったので、だから連隊長に褒められた時はものすごく嬉しかったのだ。ただ、二度とやりたいとは思わない試験であった。おまけに「工兵」なので、爆薬の計算式がある。例えば壁を破壊する時、その壁は何で出来ているかによって公式が違う。厚さもそうだ。それも一つだけでは無い。工兵用の特殊車両もある。今考えると良くも出来たものだと思う。ただそのおかげで今の仕事が出来ているので、何かの役には立ったようだ。
    曹長になった日は朝早くから制服で、新しい「曹長」の階級をつけてなんだか恥ずかしかった。連隊長以下各中隊や色々な部署に昇進の挨拶回りがあった。しかしこれから上級下士官として頑張らねば!と思ったことも確かだ。中尉と同じ連隊当直士官につかなければならない。もう軍曹や上級軍曹では無いのだ。敬礼される回数も増えた。呼び方も「Mon Adjudant」(曹長殿)と「殿」がつく様になった。フランス外人部隊へ志願してから十数年、「よくもまぁここまで昇進出来たものだ」と自分を褒めた。
                      
                           読んでくれた人、ありがとう

コメントを残す