アフリカ中西部日記 2 移動編

2020年8月22日 続き

 

なんとかイスタンブールに到着。機内でのマスク着用もたいした苦にならなかった。駐機場からターミナルまではバスだったけれど、僕ら乗客が乗り込んで満員になる前、7割ぐらい乗客が乗ったところでターミナルへ出発した。そうだよなぁ・・・。

国際線乗り換えのゲートまでまた延々と歩かされた。後で知ったのだけれど、空港は新しいターミナルが出来ていて何とついたのはその新しい方であった。古い方は喫煙所や「バーガー・キング」の場所も知っていたので余裕をこいていたのだが、今いる新しいところは全く見当がつかない。おまけにこの空港で不便な事が2つあった。

1つ目は、とにかくソファーなりの座る場所がない事だ。座るためにはカフェなりに入って何か注文しなければならない。仕方なく水とコークを買ってやっと座る事ができた。移動の時は、エネルギー源として「速燃性糖分」のコークを摂る事が多い。

2つ目の問題はネットが繋がらない。昔は喫煙所まで行くと外と繋がっている場所だったので3G回線でかろうじて繋がる事があったけれど、その喫煙所が見つからない。成田や羽田と違って表示など無い。なので3時間ぐらいネット無しであった。

搭乗口の表示も後1時間以上待たないと出ない。仕方がないので免税店へ行って、中東での仕事の時に吸う様になった「Nano KENT」というスリムのタバコを4カートン買った。他の空港では見た事がない。1カ所ベンチを見つけたのでそこに座って時間を潰す・・・。

 

搭乗口の表示が出た!丁寧な表示ではないので危うく迷子か!と思ったけれど、なんとかいい方向に向かっている様だ。ここでもまた延々と歩かされた。

搭乗口のところにはたくさんベンチが空いていて楽に座る事ができた。ふぅ〜!

職員が一人二人やって来て搭乗手続きの準備を始めた。2人の職員が、乗客の周りを回ってPCR検査の結果とヴィザの確認を行なっている。アフリカの国はヴィザは大きな収入源だ。確認が済んで搭乗の列に並んだ。ゲートを通る時に体温を測られた。片側3人の座席は真ん中は誰も乗らない。僕はここでも非常口のところの通路側で、結局誰も来なかったので3席使って寝る事ができる!CAが使わない毛布を片付け始めたけれど、僕は「枕に使う」と言って片付けられるのを拒否した。

しばらくして飛行機が動き出した。次はいよいよアフリカだ。ただ初めて行く国なので、空港の様子は知らない。

まぁ、もう乗ってしまったのであれこれ考えても仕方がない・・・。冷房が効いていて寒いぐらいだった。なので、マスクはだんだん気にならなくなって来た。いよいよ離陸だ。久々の飛行機の旅なので、背中にかかる「G」が気持ちよかった。目の前の液晶はいつも通り「フライトプラン」にする。そして、いつもやる事をした。仕事用の「カシオ」のGショックの時間を現地の時間に合わせたのだ。

約6時間のフライトだ。食事がすぐ出るはずで、あとは寝て過ごす予定だった。トルコ航空の機内食には必ず「ナス」が入っている。なぜかは知らないが、結構美味しいので楽しみにしていたけれど、今朝のホテルの朝食を思い出すと、「そういゃコロナだった」と思い、いつもの美味しい機内食のことは頭から払い退ける。食事がきた。黄土色の紙袋が一人一つずつ配られた。中には僕の握り拳ぐらいのサンドイッチ1個、小さな水のボトル1本、紙パックのフルーツジュース1個、小さい袋に入ったケーキ1個。それで全部だ。非常にがっかりした。コロナめ!

 

そんな機内食だからすぐに食べ終わってしまって、寝る準備を始めた。2枚余っていた毛布を袋から出して畳み直す。枕にするためだ。自分の毛布は機内が寒いので自分用にしてかけた。3席あれば僕の身長でもなんとか眠る事が出来るのは経験上知っていたので今回の3つの座席に一人でいるのはありがたかった。さて、寝るぞ!

寝ている最中はたまに大きく息を吸いたくなって目が覚めたけれど、案外寝られるもんだな!というのが僕の感想であった。軍隊にいたからどこでも寝られる様になった。

到着時刻は夜中の2時ごろの予定だった。気が付くと、機内の照明が明るくなった。あれ???まだ到着には早いだろうよ!と思っていたら、またさっきの紙袋の食事を配っている。「おっ!マジか!」腹が減っていたので好都合だ。

液晶の画面を見ると到着時間がおかしい。何度も確認したけれど、目的地にもうすぐだ。少し訝りながらサンドイッチをパクついた。画面の飛行機はほぼ目的地の上になっている。おかしい!

そのうちに機内放送が流れてもうすぐ着陸のために高度を下げるとかなんとか言っている。マジか???

窓から外を見た。暗闇なのだが、少し経つと街の明かりが見え出した。おいおい!4時間も早いぞ!

 

空港に着くと、搭乗便は直接ターミナルに。あの鬱陶しい面倒な「バス」ではなかったので安心した。飛行機から出て通路を歩く。すぐに体温検査があった。36度6分であった。入国審査だ。書類の記入して外国人と書かれた方に並ぶ。PCR検査の紙、会社から渡された仕事用の紙、パスポートなど準備する。入国審査で「8月4日に来る予定がなんで今になったんだ?」と質問されたけれど、「会社の都合なのでわからない」と答えた。備え付けのカメラの方にマスクを外して写真を撮って、両手の指の指紋をとられてそれで終わりだった。アフリカにしては物凄くスムーズに終わった。次はスーツケースだ。荷物を受け取るのだ。そこへ行くと、果たして僕のスーツケースはちゃんと到着しているのか???同僚2人はスーツケースが行方不明にあって大変な思いをしていた。僕のスーツケースは???

あった!すでに奥の方に出て来ていた!それをつかんで出口の脇のX線の所に向かう。おかしなもので、大体のアフリカの空港では、出る時も検査がある。検査もすんなり通ってやっと空港の建物の外に出た。暑い!

 

まず最初にやる事は、ボスで、元アメリカ軍の大佐だったジェフに連絡を取る事だ。幸い「WhatsApp」で繋がっているので連絡したらすぐ返信があった。「ずいぶん早いな!急いで迎えの車を出すよ!」とのことで、同僚でスーツケース被害にあったダヴィッドが来る事になった。もしかして僕の飛行機で彼のスーツケースが届いたかもしれないということもあった。ジェフに彼の電話番号を教えてもらい電話した。通信会社はフランスで展開している「Orange」が使えたので助かった。

ダヴィッドに電話する。彼も元外人部隊兵で西アフリカの仕事で一緒だったし昔から知っていて仲が良かった。

15分から20分ぐらいで到着するという事だった。空港の建物の外にはゴミ箱があってその上の部分は「灰皿」になっていたので、6、7時間ぶりにタバコを吸った。3本ぐらい吸っただろうか???マスクをしているけれど、見慣れたやつが近づいて来た。いつもなら硬い握手をする所だけれど、今回は「エルボー・タッチ」。彼はすぐさま「荷物受け取りのところへ行ってくる。」と言ったので、僕はここ、灰皿のところで待っているよ!と言った。10分ぐらいして、スーツケースを抱えたダヴィッドが出て来た。スーツケースのキャスター全部が壊れてゴロゴロできなかったのだ(笑)。

 

僕は、スーツケースのハンドルを一番長くして、僕のスーツケース、その上にダヴィッドのスーツケースを乗せて迎えの車までゴロゴロ押していった。聞くと、パーキングに入るのに小銭が無かった。入り口ではお釣りの小銭がないので入れてくれなかったらしい。最後の最後までまた長距離を歩かされた。

車に乗って20分ぐらいだったろうか?積もる話をしているうちにホテルに着いた。車は僕の部屋の前まで行く事ができたのはありがたかった。車を降りて、その時だった。暗闇から、これも同僚で元外人部隊兵のルイジが破顔満面でやって来た。彼はいつもは僕らの様なインストラクターなのだが、今回の仕事は会計事務をやる事になっていた。今夜は「KAWA」が来るという事で、いい場所の部屋と、部屋の掃除、水の準備など、全てやっていてくれた。感謝!

ビールを奢るから来い!僕はスーツケースを部屋に置いてルイジの後について彼の部屋へ行った。冗談を交えながら近況を話す。500ミリの現地のビールだろうか???ダヴィッドと3人で乾杯した。

 

アフリカへ戻ってきたのであった・・・。

 

 

読んでくれた人、ありがとう。

 

 

 

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