B150 初めての軍用輸送機

1990年3月20日(火)

4時半起床。朝食などを済ませて空港まで行くが散々待たされた。9時ごろ離陸して中央アフリカの首都バンギには10時頃到着。それからトラックでバンギ市内のキャンプに向かう。部屋は古い建物だったけれど、目の前にプールがあってフラダン中尉の許可がすぐ出てみんなで着替えて一目散に飛び込んだ。

昼食時に思いがけなく第2外人歩兵連隊のナガオさんに会った。

夕食後には急に雨が降り出した。こんなに早くアフリカでの雨に遭うとは思っていなかった。サッと降ってサッと上がった。あまりの蒸し暑さに堪りかねてナガオさんと酒保でビールをガンガン飲んだ。ナガオさんはここのキャンプに4ヶ月いるというので次の再会は4ヶ月後だねと言って21時前に別れた。

 

1990年3月21日(水)

今朝も4時半起床。朝食後、部屋などの掃除をしてキャンプを出た。トラックで空港に向かう。民間機ではなくフランス軍の一般的な輸送機C160トランザルでの移動だ。トランザルの向こうには砂漠迷彩のミラージュF -1戦闘機やジャギュア攻撃機が見えた。チャドでの夜、夜空の星が地平線まで見えるのを初めて体験して「アフリカに来たんだなぁ・・・」と感慨に耽っていたのだけれど、今朝は砂漠迷彩の戦闘機を見て改めて「アフリカに来た!」と思った。

 

8時ぐらいに搭乗開始が始まった。初めての軍用輸送機だ。折りたたみ式のナイロン製の椅子の下に荷物をしまいシートベルトを締める。エンジンが始動を始めた。物凄い音だ。そりゃあそうだ。これは旅客機ではない。軍用の輸送機なのだ。クルーはイヤープロテクターをつけている。僕はと言うと、昨日ポルトガル人のアセンカオ伍長に少し話を聞かされていたので、タバコのフィルターを2つ持っていた。外側の紙の部分を剥がしてフィルター部分を少し手で解して柔らかくしてから耳に突っ込んだ。少しは良い様だ。と思ったのも数分だけで相変わらずエンジン音が物凄かったし、振動も半端なかった。昨夜ナガオさんと飲みすぎたので、旋回のGがかかった時に危うく戻しそうになった・・・

僕らの目的地は首都バンギから西に400キロちょっとにあるBouar(ブアル)という所だ。Wikiによると東側にあるカメルーンとの交通の要所という事だ。

いよいよ着陸だ。空港というよりただ単に活走路があるだけだった。第1外人騎兵連隊の連中が待機しており警備にあたっていた。飛行機を降りたと思ったら誰かが近づいて来た。ナグモくんだった。去年のValdahon(ヴァルダオン)での演習以来だ。しかし話し込む暇などある訳がなく再開の握手だけして別れた。

 

宿舎に着く。暑いというより熱い。

初めてここでの昼食は悪くなかった。昼食後はSiesta「シエスタ=昼寝」が日課に入っている。暑すぎて仕事にならないのと脱水症状を防ぐためだと聞かされた。15時30分に起きて宿舎の周りを整備したりして夕食時間まで何かしらやっていた。夕食前に給料が出た。10万CFAフラン(当時で約4万円)だ。しかも酒保ではジュースが100CFAとかタバコが275CFとかまるで日本で買い物をしている様だった。

 

夕食後は早々にシャワーを浴びて早々とベッドに潜り込んだ。もちろんモスキートネットを降ろして・・・

 

 

読んでくれた人、ありがとう

 

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