B141 不貞腐れたカノ・シルバ

1990年2月1日(木)一日中車両整備の復習だった。午前中が実際にトラックの下に潜り込んで各部の名称やその働きについて復習だった。午後は、前回の路上運転の成績が悪い者はサイド路上運転に出て行った。幸いな事に僕は教室に残って復習の続きだった・・・。

 

1990年2月2日(金)

午前中は再び交通法規のテストだったけれど問題なかった。午後は教室などの掃除をして、夕方訓練コース終了という事で「Pot」(一杯飲む集まり)があった。色々と厳しかったリバス上級伍長だったけれど、終わりの方は冗談を言って一緒に笑ったりして、この訓練も楽しく終える事が出来た。

中隊に戻ると明日からのスキー訓練に行く準備をして酒保に急いだ。1週間という事だった。

 

1990年2月3日(土)

朝9時、トラックに乗り連隊を出発。行き先は師団が管理している山岳訓練センターと一応は名前がついて入るけれど、早い話、夏場はハイキング、冬場はスキーが出来るニースの北50キロぐらいの所にある施設だった。高速を使ってニースまで行き、そこから北へ進路を取る。山道に入るとどんどん気温が下がっていった。宿舎に到着したのは18時を過ぎていた。夕食後は外出できたので、マナンと村のバーへ行って運転訓練の話などをしながらビールを何杯か飲んだ。

 

1990年2月4日(日)

午前中はノルディック・スキーだった。僕は普通のスキーならそこそこ滑る事は出来るけれど、このノルディック・スキーはやった事がなかったのでかなり疲れた。小隊中みんなも僕同様に転んでばかりだった。

午後は宿舎のそばへ行ってフリークライミングだった。その後にはロープ降下をやった。もうロープ降下は怖くない。

夜はまた外出できたので、ビトウさんと村のバーへ行って飲んだ。

 

1990年2月5日(月)

今日は民間のスキー場へ行った。もう3、4年滑ってなかったけれど、だんだん勘を取り戻して来て楽しく滑る事が出来た。意外な奴が滑れなかったりして中々可笑しかった。マナンと何度も上まで行っては滑って降りて来た。今日は最高に楽しい1日を過ごした。明日もまたここのスキー場に来るという事で楽しみだ。あのズィグレール曹長がすごくスキーが上手いという事がわかった。スイスイ滑っている。

 

1990年2月6日(火)

今日も一日中滑り放題だった。一般のパーキングにトラックを止めているので、荷物やトラックのガードを一人トラックの所に置いていた。昨日は気が付かなかったのだけれど、どうもコロンビア人のカノ・シルバは生まれてから一度もスキーをやった事が無いらしかった。今朝、ドレゼと二人でカノ・シルバにスキーを履かせようと両側から腕を持って支えたんだけれど、片足を乗せただけですっ転んでしまうのだった。10回ほど何人かで手伝ったけれど、終いにはカノ・シルバは「もういい!俺はここに残ってトラックのガードをしてるからよ!」と不貞腐れてしまった。

 

夕方早めに引き上げてマナンとパーキングのそばのバーで飲んだのだけれど、一日中滑っていたので疲れていてあっという間に酔っ払って出来上がってしまった・・・。

 

読んでくれた人、ありがとう

 

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