B132 「まず飲め!」

1989年12月11日(月)

医務室内を少し掃除して1日が始まった。今朝は軍医に再び診てもらった。このまま耳の薬を朝晩毎日塗る様に言われただけだった。昼と夜に酒保に行く事が出来たので色々と買って来た。タケシタくんから本を借りたので少しは暇つぶしになるだろう。隠れてビール。

 

1989年12月12日(火)

借りた本も読んでしまいゴロゴロしている。英語版のソ連軍の武器についての本があったので、必要な諸元などを書き写して暇を潰す。夕方、医務室勤務の上級伍長がタバコを買って来てくれと言うので酒保まで買いに行く。隠れビールをまたする。昨日同様回りが早くこれまた昨日同様によく眠れるだろう。

 

1989年12月13日(水)

耳の薬を塗ってくれる上級伍長にいつ退室出来るか軍医に聞いてくれる様頼む。でも全く返事がなくて結局ゴロゴロして1日が終わる。隠れビール。

 

1989年12月14日(木)

上級伍長に頼んでも拉致が開かないので今朝自分で軍医の所に行っていつ退室出来るか聞いてみたら午後14時の退室の許可が出た。昼食後、ベッドのシーツを交換したり掃除をして退室となった。ゴロゴロばかりしていたので少しぼ〜っとしている。しかしやはり小隊に戻って普通の生活はいいものだ。

夜はビトウさんと酒保で飲んだ。部屋へ戻ると、ベイカーたちがまた大麻を吸っていた。その大麻入りのタバコが僕にも回って来た。「医務室退室おめでとう!」と言われたので一服だけして寝た。

 

1989年12月15日(金)

中隊の隊舎の部屋の壁を塗り替えると言う事で、壁のペンキ剥がしだ。思いがけず自衛隊時代に一番仲が良かったイマイから手紙がきた。すでに奴には2回ほど手紙を書いたのだけれどやっと返事が来た。以前と変わらない感じが文面から伝わって来て嬉しかった。午後もペンキ剥がし。

 

1989年12月16日(土)

今朝はいつもより長い12,13キロメートルの駆け足だった。シャワーを浴びて着替えて部屋の掃除をしてそのあとは部屋の点検だった。マティラ上級軍曹が点検した。彼は第2外人落下傘連隊から仏領ギアナの第3外人歩兵連隊を経てこの連隊に配属になった様だった。この時はわからなかったけれど、彼もアジア人に偏見を持っていて何かと文句を言うという事を知ったのはそう遠くない先であった・・・。

午後はビールを1ケース買って来て本を読んだりゴロゴロしていた。この頃は、金がある奴がよく一ケースのビールを買って来てみんなで飲むという様な暗黙の了解みたいなものがあって夜には必ずビールがテーブルの上に放ったらかしにしてあった。なので僕もそれに習って買って来たビールの段ボールをまず少し開けて誰でも飲んでいいぞ!という風にして放って置いた。でもあくまで暗黙の了解なので、それを何人かがやるから、いつも飲み切れない量のビールが部屋にはあった。他の部屋も大体そんな感じであった。なので誰か別の部屋のやつが来ると「まず飲め!」という事になって毎晩酒盛りになるのだった。

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読んでくれた人、ありがとう

 

 

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