B088 1989年8月3日(木)水着の女性と大麻樹脂

6時過ぎに起きてすぐにVAB(装甲車)に乗り丘の裏側に移動して2時間ぐらい残り火の始末をした。その後は待機だったので昼寝をしていた。レーションの昼食をとって13時過ぎにまた移動した。結構木が生えている所だった。相変わらず待機だ。14時ごろ近くで火の手が上がった!ルスィック軍曹と二人で急いで駆けつけたけれど、僕は火叩きしか持っていないので、一生懸命に地面の火を叩いて消した。近くにいたこの辺に住んでいると思われる民間人も手伝ってくれたのですぐに消す事が出来た。それはそれで良かったのだけれど、この暑い最中、小さい蜂に指を刺されてしまって、火を消した高揚感は一気に落ちてしまった・・・。15時、相変わらず待機。今週末は久々に外出しようかと思っていたけれどこの分だとどうなる事かなどとくだらない事を考えている内に帰隊命令が出て夜何時か忘れたけれど連隊に戻った・・・。

incendie 1

1989年8月4日(金)

一日中「CTE04」の教育だった。午前中はフラダン中尉だった。ゆっくりの説明でよく理解出来た。ここの連隊に配属になる前は第4外人連隊で新兵訓練小隊の小隊長、軍曹訓練コースの小隊長もしていたらしい。

午後はスピッツ軍曹の工兵が使う装備の使い方だった。各小隊にはプーリーやアンカーに使う大きいピケットやチェーンがある。それらを使って重い物を移動させたり出来るのだが、彼もフランス人なのでとても早口であまり理解出来なかった。サミュエルが後から親切に教えてくれるのでとても助かっている。

午後は中隊に新しく来たばかりの褐色のデュードネ軍曹だった。軍曹になったばかりと言う事だった。とても丁寧な説明でよく理解出来た。

明日は、この間の火事で出動したので休みと言う事なので、夜はウェンダーと酒保に行ってたっぷりビールを飲んだ。「CTE04」の教育で頭をいっぱい使ったからな。

 

1989年8月5日(土)

午前中はゴロゴロしていた。午後はウェンダーと一緒に連隊の近くのプールへ行った。水着の女性が沢山いてなんだか目の保養に来ている様だったが目の休まる暇のない場所であった。しかし目のやり場に困ると言う事では決して無い。

夕方になってロダンの村までタバコや食料品を買いに行った。

夜は買ってきた「広東風炒飯」のパックを水の入った鍋に入れてキャンプ用ガスバーナーで温めてついでに味噌汁も作って食べた。

 

同じ部屋で、スペイン語訛りのあるジブラルタル出身の一等兵ベイカーがテーブルで何人かと何かゴソゴソとやっていた。タバコをバラしている。何かを炙ってポロポロ落として葉っぱと混ぜている。僕はベッドで横になって雑誌を見ていた。ちょっと視線を移すと何人かがニヤニヤしながら円錐状になったデカい「タバコ」の様な物を回しながら吸っていた。何をやっているのか見たらベイカーと目があった。「オイカワ 、こっちへ来いよ!」と言うので起き上がってテーブルに行った。なんか変な匂いがする。その大きな円錐状のタバコもどきを渡されて「吸ってみろよ!」と言われた。みんなニヤニヤして僕の事を見ている。目が変だ。一服吸って「フ〜ッ」と普通に煙を吐いたら「ちゃんと肺に溜めてから吐かないとダメじゃないか!」と一等兵のマッスランに言われてもう一服した。なんかクラクラするぞ???

その時初めて「こいつ等、大麻を吸っていやがる!」と気が付いた。トルコ人のエルドガンは一服して「もういい!」と言った。僕はどんなものかと回ってきたやつをもう一回吸った。酩酊感があったけれど、ビールを飲んだ様な胃に溜まる様な物が無いのに少し酔っぱらった感じがする。これならビールの方がいいやと思い、それ以来その手のものには手を出した事は無い。

 

読んでくれた人、ありがとう

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