今朝はバレーボールだった。駆け足じゃないのでもんなニコニコしているように見えた。喜んでいるのはもしかして僕だけか???
適当に2つのチームに分かれてすぐ試合形式で始まった。ほとんどお笑いの世界だ。ボールが飛んでくると明後日の方向に打ち返すやつばかりで、全くボールリレーが出来ない。そんな時は決まって「deux mains gauche !ドゥー・マン・ゴーシュ!(両手が左手か!)」と度怒鳴り声が飛び笑いが起きる。フランスはサッカーが盛んなのでバレーボールはやらないのかな?僕は学生時代や自衛隊でやった事があり各ポジションは分かっていたので、セルヴァン伍長に「やるなぁ!」と言われた。背の低い口うるさいドジェイ軍曹は悪態ばかりついていた。サッカーの時も同じ事で、ヘマをすると「deux pieds gauche !ドゥー・ピエ・ゴーシュ!」(お前の足は両方左か!)と怒号がすかさず飛んできて笑われる。大体みんな利き手や利き足が右なのでなんだか笑ってしまった。
午前中も午後も部屋のペンキ塗りだった。もうすぐ中隊長が変わり、連隊長も変わるというので綺麗にするという事だった。
夜は中隊のクラブが開くというので地下の一番奥にある会話が聞こえてくる方に向かった。イギリス人のオサリヴァン伍長がバーのカウンターを仕切っていた。第2中隊の二人のイギリス人も来ていて英語で会話していた。その中の一人が結構日本の食べ物を知っているようで質問してくるのだが説明するのが大変だったし、特にオサリヴァン伍長に「米の炊き方」を聞かれたのには閉口した。何しろ東京にいた時は自炊をして炊飯器も持っていたけれどほとんど記憶になかったからだった。隣のビトウさんとあーでも無いこーでも無いと話してまず洗ってから水の量は掌が隠れるぐらいではないかという事を教えたけれど大丈夫だったか???
ルスィック軍曹が週番軍曹だったけれど、なぜか後ろのテーブルで飲んでる。やはり彼はアル中か?250ミリのボトルを3口4口ぐらいで飲んでしまう。オサリヴァン伍長もその辺は知っているようで、軍曹のビールが空になると、すかさず次のボトルを渡すのだった。ここでもやはりビールはクローネンブルグだった。他にも見た事がないビールを何本か置いていた。
オサリヴァン伍長に聞いたら右から3本はベルギーのやつだと教えてくれた。その中でも「ランビックビール」の黄色いやつが甘酸っぱくてでもちゃんとしたビールの味がして気に入った。
話すときにゆっくり言葉を選んで話してくれたし、こっちの言う事も一生懸命理解しようとしてくれた。彼らもフランス人が好きでは無いようで、そのことで盛り上がっていた。
中隊クラブはこの頃は毎日夜だけではなく朝も開いていた。町のパン屋で買ってきた新鮮な出来立てのクロワッサンやパン・オ・ショコラという、長方形で中にチョコの線が一本入っているパンが食べられた。これが激ウマ物で、本場の出来立てのクロワッサンやパン・オ・ショコラを味わったのはここ中隊のクラブであった。今のパン・オ・ショコラは、チョコの線が2本になっているのがほとんどのようで、1本線のは見なくなった。
オサリヴァン伍長は親切で、僕が朝の中隊掃除で遅くなってしまったのに、クラブを閉める所だったオサリヴァン伍長は急いでコーヒーを入れてくれてクロワッサンなどを出してくれた事が何回かあった。小銭での支払いなので、その計算があるにも関わらずであった。
今日はビール2本で止めるつもりだったけれど無理であった・・・。
読んでくれた人、ありがとう