B040 野外訓練第3週目 その4 「Marche–Képi-Blanc」  2日目

6時に起きてテントを畳みすべての物を背嚢に詰め込み新しいレーションを受け取り出発の準備をしてから朝食のコーヒーを飲んだ。パンではなくレーションのクラッカーだ。今日も天気がいい。昨日はその手前で曲がったが今日はその橋を渡って行く。ミルポアの街並みが見えて来る。街の中は通らず迂回してまた畑の間の道をゆく。歩き始めて30分もすると額に汗が滲んできた。足の具合も問題なく、今日も歩き通してやるぞ!と変な意志が湧いて来た。肩は重い背嚢のせいで痛みが残っているけれどそれはどうしようもない・・・。

まだ歩き始めなのでコンプ軍曹のスピードは普通だ。分隊の隊列もちゃんとしていた。周りは平坦で景色は良かったが、平坦な道だけで終わるわけがない。昼過ぎには段々と道の周りの木々が増えてきた。少しずつ登りになる。周りの景色を見ている余裕はない。前のやつの足元を見ながらひたすら歩く。背嚢が重いので前傾姿勢になるからだ。

だんだん登りがキツくなって来た。だが道路なのでまだいい方だ。などと考えているうちコンプ軍曹の歩くスピードが落ちた。何だろうと思って顔を上げると古くて所々崩れてはいるがどうやら古いお城の様だった。気がつかないうちに上まで来ていた。「Châteaux de Monségur」モンセギュール城というところで、「城」とついているけれど古い要塞という事だった。

ロサ・ファテラ上級軍曹がいた。今日はここで終わりの様だ。かなりひらけた所に移動して整列した。そしてコンプ軍曹の「Sac à dos à terre !」(背嚢をおろせ!)の合図で皆んな安堵の表情を浮かべながら背嚢を自分の前に下ろした。

FA-MASのバイポッド(2脚)を出して背嚢の脇に置く。一旦休憩という事になり水を飲んだ。とても天気が良かったのでテントを張る指示が出なかった。ルアール伍長が「第1分隊はここ、第2分隊はその隣に相方と移動しろ!」と命令した。ソバージュと2人、平で石がない所に移動してポンチョを敷き寝袋を出した。

まだ時間は早いし一応寝る準備も出来た。しばらくすると集合がかかりその城の様な所の中庭に行った。そこで小隊全員で整列した。そして「外人部隊勅諭」を淀みなく言える様に数回練習した。大きな段ボール箱がありなんだろうと気になっていたがすぐに分かった。ルアール伍長の指示で皆んなダンボールに近ずいて名前を確認しながらビニール袋に入った新品のケピ・ブランを取り出した。ビニールに入ったままのケピを左手に持ちまた「外人部隊勅諭」も練習が始まった。ルアール伍長の説明を聞いていると、「ケピ・ブラン」授与の式は明日だという。中尉も遠くの方で見ている。ということは行軍は終わりだ。タケシタ君の話では3、4日は歩くと言う事だったので何か拍子抜けした。そして中尉が中隊長役をやり予行演習を何回かして昨日同様焚き火用の薪拾いをした。夕食前、明日は背嚢に入れてある新品の戦闘服を着る様に指示が出た。

                            読んでくれた人、ありがとう。