B034 野外訓練第2週目 武器の手入れ

今朝は最初の射撃だった。連隊の敷地内に300メートルの屋内射撃場があった。射撃には自信があったので楽しみだ。まず3発撃ち照星と照門合わせる。軍曹が傍にいて調整をした。しかし射撃はそれだけであった・・・。

そして連隊から4キロ程の所にある「Burnel」(ビュルネル)という訓練所へ行った。そこには手榴弾投擲訓練や、89ミリロ携帯ロケット砲の縮射砲の射撃(ロケットの代わりに小銃弾を撃てる装置をつけて訓練する。ロケット一発の値段は高いのだ!)、映画の画面に合わせて射撃をする、FA-MASに使う5、56ミリの小銃弾の弾頭部分がプラスチックになった弾を使った射撃訓練など出来る施設があった。

そして何と言ってもここの訓練所にあるParcours du Combatant(パルクール・ドゥ・コンバッタン)が有名であった。これは500メートルに20の障害があるフランス軍全体の有名な障害走のコースである。外人部隊も勿論例外ではない。一度スタートしたなら途中で休む事は許されない。タイムを計るからだ。だからどの障害も全力で超えなければならず、手を抜く事は出来ないのであった。

今日はまず最初という事で、ロサ・ファテラ上級軍曹が最初の幾つかの障害を実演して説明してくれた。ロサ・ファテラ上級軍曹は以前第2外人落下傘連隊にいた時は、旧ザイールの作戦でコルウェジに戦闘降下をした強者であった。

実演を見ているだけで大変だったが実際にやってみたらもっと大変であった。どの障害にも素早くクリアするテクニックがあり体が覚えるまで何度も繰り返した。

それが終わるとバスが迎えに来ていて、僕達は再び「レイサック」へ戻った。

夕食まで荷物の整理をして夕食を急いで食べ、その後は「FA-MAS」の手入れだった。3発しか撃たなかったのにすごい汚れであった。布切れだけでの手入れだったので、こびり付いたカーボンがなかなか落ちなかった。

椅子は片付けられて立ちっ放しであった。消灯時間はとっくに過ぎてみな目が死んだようになっていた。だいたい終わったので、各自が手入れした銃の部品を綺麗に全員同じになるように並べた。ロサ・ファテラ上級軍曹が入ってきた。一斉に気をつけをする。銃の手入れの点検が始まる。緊張する瞬間だ。自分の前に来たら「志願兵何某、一ヶ月勤務」と申告する。そしてロサ・ファテラ上級軍曹が部品を一つ一つ点検するのだ。自分ではちゃんと手入れをしたつもりでも初めてなので何かしら手入れ不十分な部品がある。皆引きつった表情で自分の番が来るのを待っている。上級軍曹は何も言わず次々と見て回る。

全員の銃を見終わった。あまり良くなかったのか厳しい顔をしている。けれども最初の手入れという事で大目に見てくれたらしかった。でも「本当の手入れはこんなもんじゃないぞ!次からはしっかりやれ!」という事は忘れなかった。僕達はすかさず「Oui, Chef !」(ハイ!上級軍曹!)と言い銃にオイルを塗り始めた・・・。

                            読んでくれた人、ありがとう。

コメントを残す